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「国民審査で全員にバツを」とはいうけれど

全員にバツなど付けれない

トランスジェンダー性別変更、生殖不能の手術要件は「違憲」 最高裁:朝日新聞デジタル

 このような判決が出ると、それに納得しない人はすぐに「国民審査で全員にバツ」という。(例: https://twitter.com/search?q=国民審査&src=typed_query )はたしてそれは可能だろうか。

 最高裁判所裁判官が国民審査の対象となるのは、任命されてから始めての衆議院総選挙の時だ。その次は10年後なのだが、ふつうその前に定年退職するようになっている。つまり実質的には任命されたあとの1回だけだ。今回の判決に関わった裁判官15人のうち2人だけが未審査なので、「全員にバツを」と息巻いて投票所に向かっても2人にしかバツを付けることはできない。

 たとえ細かいルールは知らなくても、国民審査に関心を持っていれば投票用紙を見たときに「15人もいない」ということには気づくのではないかと思う。前回2011年は11人が対象だったので、かなり多かったのだけど。勘違いしないでほしいのだが、関心を持っていないのが悪いという主張では決してない。こんなことに普段から関心を持っているのは「フツーじゃない」とも言えるだろう。

 しかし関心も知識も持たない人が「なんか国民審査というのがあって、それにバツを付けたら罷免できるはず」ぐらいのノリで、人を扇動し(家族にもバツを付けてもらうという人も見かけた)、それが有効であるかのように見せかけ・信じ込み行動するのはいかがなものか。裁判官の責任を追及するために、自分の発言が無責任になって良いものだろうか。

 あと「岸田政権 最高裁」で検索するとこういう感じなのだけど、最高裁裁判官の過半数は安倍政権による任命です。